男性泌尿器科・女性泌尿器科
男性泌尿器科・女性泌尿器科
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前立腺肥大症とは、膀胱の下にある前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を来たす病気です。統計的には日本の55歳以上の男性の約2割、5人に1人くらいに前立腺肥大の症状があると言われています。はっきりとした原因は解明されていませんが、加齢と性ホルモンがなんらかの影響を及ぼしていることは確かなようです。
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健康なときには無意識に済ませていた排尿なのに、これがスムーズにいかなくなることで、日常生活に大きな支障をきたします。
検査としては、腹部エコー検査、血液検査、尿検査、尿流測定、残尿測定、などがあります。
過活動膀胱とは、尿をためる膀胱の機能障害です。通常、膀胱は300cc~500ccほどで尿を出しますが、過活動膀胱は、排尿筋が過剰に収縮してしまうため膀胱にたまる尿量も少なくなり尿をガマンすることが難しくなります。その結果、急に我慢できないような尿意を感じたり、トイレの回数が増えたり、おしっこを我慢できず漏らしてしまうなどさまざまな排尿トラブルが起こります。
上記の症状が1 つ以上ある人は「過活動膀胱」の可能性があります。
検査は、腹部エコー検査、残尿検査、尿検査等で精査していきます。
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
内服薬で3か月以上加療しても改善されない方は、「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法」治療法もあります。膀胱鏡というカメラを膀胱内に挿入し、膀胱の壁内(筋肉内)にA型ボツリヌス毒素を注射する治療です。麻酔方法は、膀胱局所麻酔でも日帰りで加療可能です。膀胱鏡を膀胱内に挿入し、膀胱の筋肉内に専用の細い針でボツリヌス毒素を20箇所に分けて注入します。実際の手術時間は15分程度です。
「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法」をご希望の方は、治療の必要性、有効性、治療の適応について、相談させていただければと思います。
治療効果が永久的に続くわけではないことで、持続期間は4~8ヵ月と言われており、患者さん個々で持続期間は異なります。効果が不十分な場合、あるいは薬の効果が弱まり症状が再発した場合は、前回投与日から4ヶ月以上経過していれば再投与することが可能です。
治療のメリット、デメリット、これまでの治療内容、そして患者さんの症状についてよく相談させていただいた上で、治療を行うかどうかを決めていくのが良いと思っています。
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の副作用について
この治療後に、以下の副作用が出ることがあります
肉眼的血尿(2%程度)
膀胱内には毛細血管が数多く存在しています。
実際の治療時には、膀胱内の血管を避けて薬剤を膀胱壁内に注入しますので、血尿は無いか、軽度であることがほとんどです。
血液をサラサラにする薬を飲んでいる患者さんは、休薬可能であれば治療を行う方が安全です。
尿路感染症(5%程度)
この治療は内視鏡を膀胱内に挿入して行いますので、尿の出口付近に存在する細菌が膀胱内に入り込み膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染症を引き起こすことがあります。
尿路感染症が起きた場合には、抗生物質の投与で治療を行います。
排尿困難、残尿の増加(5~9%)
ボツリヌス毒素は、筋肉を弛緩(ゆるめる)作用がありますので、この治療後に膀胱の収縮力が低下し、尿が出しづらい、尿を出しきれず残尿が残ってしまうなどの副作用が出ることがあります。
治療後は数日後に受診していただき、排尿の具合をチェックさせていただきます。
残尿量が多く、自分自身で十分排尿できない場合には、症状が改善するまで自己導尿(自分自身で尿道にカテーテルを挿入し尿を排出させる手技)を行っていただくことがありますが、きわめて稀です。
薬によるアレルギー反応(1%以下)
万が一薬によるアレルギー反応が出現した場合、軽い副作用としては吐き気、じんましん、発疹など、重篤な副作用として喘息発作やアナフィラキシーショック(血圧低下)などの症状がでることがあります。
当院では万が一重症アレルギーが出た場合でも即座に治療できる薬剤を常備し治療を行っています。
ボツリヌス毒素治療の適応について
以下の条件に当てはまる方は、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を受けることができません。
また、以下の条件に当てはまる方は、ボツリヌス療法を受ける前に医師に申し出てください
ボツリヌス毒素治療後の注意点について
治療当日は、激しい運動、入浴、飲酒などは控えてください。血行が良くなり血尿がでることがあります。
翌日以降は、いつも通り生活していただいて構いませんが、血尿が続く場合や発熱した場合(38度以上)は念のためご連絡ください。
女性は治療後2回の月経が終わるまで、男性は治療後3ヵ月が経過するまで、避妊に必要な措置をとってください。
ほかの医療機関や診療科を受診する際には、「過活動膀胱」に対してボツリヌス療法を受けたこと、および 治療時期をわかる範囲で教えてください。
前立腺炎は急性の場合の多くは細菌による感染で、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状を伴います。
年齢は20~40代の若い世代に多く見られます。
潜在的な患者さんの数は多く、全男性の約5%がこれらの症状を経験していると言われます。治療も多種ですが、症状が改善するまでは数ヶ月かかることも少なくありません。
尿路に細菌が棲みつき、増殖して炎症を起こした状態を尿路感染症と言い、感染場所によって膀胱炎と腎盂腎炎に分類されます。細菌は尿道の出口から侵入し、膀胱に達して膀胱炎を起こします。また、膀胱の細菌が尿管を上に登って腎盂に達し、ここで増殖すると腎盂腎炎を起こします。
治療には、細菌を殺す抗菌薬が投与されます。治療が効くと、症状は3日から改善していきますが、渡された薬はすべて飲み切るようにしましょう。症状が良くなったからといって、途中で薬を中断してしまうと細菌が生き残りやすくなり、再発してしまうことがあります。
尿は膀胱と尿道がうまく連動して働くことによって排泄されます。これらを働かせるためには、命令を伝える神経がしっかりしていないとうまくいきません。この神経が、脳梗塞、パーキンソン病、子宮がんや直腸がん手術の後遺症などにより障害を起こしたり、けが(脊髄損傷など)をしたりして神経障害を起こしたりして、排尿がうまく出来なくなった状態を神経因性膀胱と言います。放置すると尿路感染や腎機能障害などを引き起こすことも少なくありません。腹部エコー検査、残尿検査、尿検査など精査していきます。
前立腺癌には特有の症状はありませんが、前立腺肥大症と併存することも多く、前立腺肥大症の症状で見つかることもあります。診断には、前立腺腫瘍マーカー(PSA、前立腺特異抗原)が特に有効で、採血(血液検査)で早期発見出来るがんであり、症状が出るときには骨転移に伴う腰痛で発見される事もあります。
50歳以上の男性の方は、一度は検査をお受けになるよう、お勧めします。
前立腺癌に対しては、監視療法、手術療法、放射線療法、ホルモン療法等選択肢も多く患者様と相談の上加療方針を決めていきます。
腎臓で出来た結石が細い尿路に落下して、急激に閉塞して発症します。結石の大きさや位置によらず激痛となることがあり、吐き気や嘔吐をともなうこともあります。結石の診断がついたら、まず痛みを抑えてその後、結石の大きさや位置を検討します。多くの5mm以下の小結石の場合は自然排石が原則ですが、1㎝大以上の大きな結石では、自然排石が不可能と考えられる患者様や水腎が強く痛み止めでも症状改善なければ泌尿器科常勤医のいる医療機関をご紹介させて頂きます。
たんぱく尿の原因としては、急性腎炎や慢性腎炎などの腎臓に限局した病気と、糖尿病、膠原病、高血圧など全身の病気の一部として腎臓に障害が起きる場合があります。治療法が異なりますので正確な診断が必要になります。
腎臓内に生じた結石を、腎臓結石(腎結石)と言います。出来る場所によって、腎杯(じんぱい)結石、腎盂(じんう)結石などに分かれ、それらが大きくなったものをサンゴ状結石と呼ぶこともあります。腎臓内にある場合はほとんど痛みが無いと言われます。しかし、結石が腎臓から尿管に移動し、尿管や膀胱などに詰まると、腰から背中にかけての激しい痛みなどを引き起こします。1㎝以上を超える結石、水腎症を伴い疼痛があり痛み止めの効果がない方は、手術可能な医療機関を紹介いたします。
膀胱癌は、肉眼的血尿で受診されることが多く、腹部超音波検査、尿検査、膀胱鏡検査等精査して見つかる事が多い疾患です。尿にがん細胞が落ちているかを調べる尿細胞診も有効な検査です。膀胱癌に対しては、第一選択は手術加療になる為に、泌尿器科常勤医のいる医療機関をご紹介させて頂きます。
腎臓のがん。腎臓内において、実質的な働きを担っている腎実質の細胞ががん化し、悪性腫瘍になってしまうこと。腎実質の隙間であり、腎臓と尿管の接続部となっている腎盂(じんう)に発生する「腎盂がん」とは異なる病気。別称、「腎細胞がん」とも呼ばれている。腎がんにかかるのは、がん全体のうち約1%。男性が女性の約2倍かかりやすいといわれている。初期症状がほとんどないことから、人間ドックや健診で見つかったり、がんが進行してから発覚したりするケースも珍しくない。
症状は、ほとんどなく、健診や人間ドックなどで早期にがんが見つかることはあっても、初期の自覚症状によって発見することは難しい。がんが進行して、腫瘍が7cm以上と大きくなるにつれて、徐々に症状が現れてきて、血尿が出たり、お腹にしこりを触れたり、脇腹や腰、背中が慢性的に痛んだりと、さまざまな症状が出始める。腎がんを確定診断するためには、画像検査を行うことが基本であり、診察にて腎がんが疑われる場合、まずはスクリーニング検査として超音波検査を実施。その上で確定診断を行うために、他病院委託致しましてCT検査を行い、がんの進行度や大きさ、リンパ節やほかの臓器への転移等精査致します。第一選択は手術加療になる為に、泌尿器科常勤医のいる医療機関をご紹介させて頂きます。
性感染症は、性行為によって感染を起こす病気の総称です。
以前は性風俗店などでの不衛生な性行為による感染が多かったのですが、最近は、傾向として不特定のセックスパートナーとの性交渉やセックスの多様化などにより、広まりを見せています。
また、風邪のように喉が痛い(咽頭炎)などの症状で性感染症が発見されるケースも見られるようになり病状は多様化しています。
代表的な性感染症は、淋病、クラミジア感染症(非淋菌性尿道炎)、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、カンジダによる包皮炎、毛ジラミ症、エイズなどです。思い当たる節のある方や、パートナーが性感染症にかかっている方は早めに検査と適切な治療を受けることが重要です。